小学生のとき、学校の図書館で『ムーミン谷の彗星』を読んでからムーミンのファンになった。
不気味でダークな世界観と、白黒の挿絵がとても印象的だった。
絵を描くのが好きだったので、黒いペンだけで海の中を見事に表現するイラストに目がくぎ付けになった。
今でも白黒のイラストに惹かれてしまうのは、きっとムーミンの影響なのだろうと最近気づいた。
天体望遠鏡の挿絵がいちばん好きだ。
黒いペン一本でこの迫力、美しさ、A3サイズに印刷してぜひ部屋に飾りたい。メンタルが弱ったとき何時間でも眺めていたい。
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小説を読んだことがない人にとって、ムーミンは「ほのぼの可愛いイメージ」かもしれない。
私にとってのムーミンは「不気味でダーク」な印象が強い。
映画やゲームで「不気味でダーク」な作品に惹かれてしまうのも、ムーミンの影響なのかもしれない。
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社会人になってからは、ぱったり小説を読まなくなった。
引越しの際にムーミンの小説本を全部売ってしまったので、約10年ぶりに『ムーミン谷の彗星』を買いなおした。
はじめて電子書籍で購入したが、「小説」と「挿絵」が別ページにバラバラに表示される。いやコレジャナイ。
紙で読みたくなって、古本も買うことにした。
コレコレ、美しい挿絵を眺めながら小説を読みたいの。すっごい癒されるわぁ……。
心の底から震えるほど好きなのに、なんで今まで忘れてたんだろ。